血盟城マル秘クリーニング大作戦U






グ「しかしだな、わた」

ア「しかしもカカシもありません」

そう言ってアニシナはグウェンダルのセリフを奪いビッと人指し指をグウェンダルに向けた。
 人の話を聞いてくれないのは相変わらずである。



ア「いいですか、グウェンダル。この作戦はこの城の弱い男達を一掃するためでもあるのです」

グ「…私が訊きたいのはそういう事ではなくだな…」

ア「必要最低事項はこれだけです。」





そう言って、アニシナ…いや、ここはアニシナ様と呼ぶべきか。
  は、グウェンダルの疑問にも答えずに颯爽とこの部屋を去っていったのだった。



グ「…掃除など生まれてこのカタした事なぞないぞ…?」






―――――その頃の魔王執務室。



執務室ではギュンターが有利に高等魔族語を教えていた。
しかし、ギュンターの想いも空しく相変わらず有利の言語解読能力は上がらない。
ギュンターの想いは他所に有利は青黒いインクの出るペンを指先で弄んでいる。



ユ「しっかしだなー…あの時はアニシナさんに詰め寄られてついついOKサイン出しちゃったけど…
     この広い城を大掃除するってどのぐらいかかるんだろ?」



有利の疑問ももっともだ。
何故なら有利の実家は悲しいかなこの城の何十倍、下手したら何百分の一のごく一般的な家だからである。



ユ「俺の実家でまあ2、3日かかるとして、この城って一体どのぐらい部屋があるんだろ…?
     なあ、ギュンター?」

ギ「申し訳ございません。わたくしにも分かりかねます。」

ユ「えっ…!?
   それって駄目なんじゃ…まあ分かんないもんはしょうがないか。よし、頑張るぞー!!」

ギ「陛下は手を出される必要は御座いません」

ユ「えー??なんで?」

ギ「陛下はただ座って見て下さるだけでよいのです。」

ユ「そんなの悪いよ。俺もやるって。」


有利はただ勉強から逃げ出したかっただけであった。


ギ「そんな、陛下が下々の者に混ざって埃にまみれるなど
    あってはいけない事なのです。」

ユ「俺はそんなこと気にしないって。よし行くぞー!!」


そう言って有利はさっさと執務室から飛び出していった。


ギ「陛下!!お待ちください!!陛下ーー!!」




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