村田と2人でやって来た銭湯で…突然お湯の中から何人もの人が現れるという怪奇現象に遭遇した。

しかも…現れたのはオレが良く知ってる奴ら。

ここにいるはずがない奴ら。






騒がしい面々を前に…ユーリは現状を把握しようと、いつになく頭を、フル回転で働かせていた。



「触るなっ!早く離せ!!」と怒鳴りながら、必死にコンラートを引き剥がそうとしているグウェンダル。

グウェンダルが嫌がるのも構わず「服がずぶ濡れになって、体が冷えると大変だから、俺が暖めてあげますよvV」と言って離れないコンラート。

そんなコンラートに向かって「兄上から離れろ!」と喚いているヴォルフラムと。

ヴォルフラムの真似をして、楽しそうに「はなれろー!」と言っているグレタ。

それを全く止めようとしないで笑って見ているヨザック&村田。

笑っている2人とは対称的に、何故か暗いヒューブ。

そして…滝のように涙とギュン汁を流しながら、オレに張り付いているギュンター。




「また今日は一段とにぎやかだよなぁ………狽チて、何でコンラッド達がこっち(地球)にいるんだよ!!?」


途中から現実逃避しかけていたユーリは、何とか現状を把握し、叫んだ。


「渋谷…気付くの遅いよ」


少し呆れたような村田の言葉を、ユーリは聞かなかったことにしておいた。

グウェンダルに事情を聞こうと思ったが、騒ぎに巻き込まれてそれどころではなくなることは、嫌でも分かったのでやめておく。

仕方なく、まだマトモそうなヒューブに声をかけた。


「なぁ…何でアンタらここにいるんだ?」

「…私にも良く分かりません、陛下。気が付いたらここに…お役に立てず申し訳ありません」

「うーーん………状況からして、今回はオレじゃなくて、アンタらが地球にスタツアしたってことか。すぐには戻れないんだろうけど……」


ユーリは溜め息をついて、ボソッと呟いた。


「こんなにたくさん………どこに泊まるんだよ―?」








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