「まぁ、待て?」
優しい優しい声だった。
逃げなければ。

本能で彼は思った。
今、逃げなければ自分は殺される。
絶対、間違いなくだ。
何度と無く感じたことのあるやばい、という直感。
でも今回のは比じゃない。
だって、あんなん見たことないもん!!

「あ! こら! 逃げるなっ!!」
彼らも本能で悟ったのだろう。
わらわらと骨飛族が逃げていく。
逃がすか!
っていうかいっそオレも一緒に連れてってくれ!!
思わず1体?の足を掴んで叫んでしまう。
しかし。
「ちくしょう! 骨めっ!!」
骨だもん。
掴んだってぽきっていっちゃうよね。
「ふ・・・ふ・・・ふ・・・」
「…な、何デスか…その薄ら笑い・・・」
本気で怖いんですけどーー!!(号泣)
「安心しろ、元気玉は打たん」
「元気玉『は』って何だよ、『は』って!!」
何だよ、カメハメ波は打つってことなのかよ!
「まったく・・・」
そもそも何処かの莫迦が仕事もせんと視察なんて
思わせぶった口上なんぞ作るから悪いんだ。
っていうか何で私も莫迦についてきてしまったんだ。
ああ、まったくもって自分が情けない。
「ごめん・・・」
「お前の莫迦さ加減は今に始まったことじゃない」
そう、今に始まったことじゃないのだ。
ああ、本当にまったく。
「自分の情けなさが腹立たしいだけさ・・・」
「う・・・」
「…で?」
「・・・え?」
で、って・・・何が『で』?
「私は、腹が減った」
「う、うん・・・?」
「お前が先ほど収穫してきたモノは、こうだ」
「・・・あ」
足元に散財している、食べ物だった、モノ。
これじゃぁ、食べられない。
また食料をゲットするところから始めなくちゃなんないのか・・・。
ま、いっか。
またちょーだいって言えばいいだけだし。
「んじゃ、ちょっくら・・・」
「鰤の蒲焼き」
「・・・へ?」
「鰤の蒲焼きがいい」
だから、さっきみたいに、菓子を貰ってくるんじゃないぞ。
「鰤の蒲焼きを食わせてくれたら、許してやる」
この馬鹿げた視察にもきちんと真面目に付き合ってやろう。
にっこりと笑って(彼にしては)随分と譲歩。
そのにっこりが怖いなんて、とてもじゃないけど言えないけど。
(だって怖いけど、かっこかわいいしな、コイツのにっこり)
いや、だけど、そうじゃなくって。

「蒲焼き・・・?」
「ソテーでもいいぞ?」
とりあえず鰤が食べたい。
そう言った彼に思わず怒鳴ってしまった。

「鰤は照り焼きに限るんだよ!!」


封印はされません(笑。ネタが分からない人には分からない話だよ…) 




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