『オイ、眞王』

大賢者は肘で眞王の脇腹をつついた。
眞王は満腹のせいか、瞼が半分落ちてきていた。

「ンァ?なんらぁ?」

眞王が思ったよりもでかい声で返事をしたので大賢者は慌てて眞王の口を塞ぐ。

『シッ声がでかい』

『ン〜ッ!!ン〜ッ!!』



少し大人しくなってきたところで手を離してやる。

『ブハッ!!!!!! いきなり何するんだよ!』

大賢者は地面をちょいちょいと指差す。

『? 地面に何か落ちてるって?』

『違うっ!!テーブルの下に頭だけでいいから潜れと合図しているんだ!!』

そういって大賢者は眞王の頭をグイッとテーブルの下に押し込む。





〜〜内緒話ターイム☆〜〜

『で?何なんだ?』

『何なんだってお前、ここでこのまま旅を終らせるつもりか?』

『なに馬鹿な事言ってるんだ、お前。終らせるつもりなんかねえぞ。』

『だったらいいか。私の言うことをよく聞け。』

眞王は無言で頷く。

『今、窓の警備ががら空きなんだ。幸いな事にここは一階(だった気がする)。
   飛び降りてもそんなに大怪我はしない筈だ。』


フンフンと眞王はしきりに頷いている。

『私が合図したらそれと同時に窓に行き飛び出すぞ!』

『おぉ!!』

そう言って大賢者がテーブルの下から頭を出そうとしたとき…





ゴンッ!!!!





…派手な音が聞こえた。
お約束ながら、眞王が勢いよく立ち上がろうとして頭をテーブルにぶつけたのだ。


「いってぇ〜〜〜〜!!!」

そこでようやくフォングランツ郷とフォンヴォルテール卿が二人が何か企てていることに気が付いた。

「な〜に二人で内緒話してるのかな〜」

眞王と大賢者が恐る恐る後ろを振り向くと、フォングランツ卿が腕組みをして立っていた。

「眞王!走るぞ!!!!!」

大賢者は窓に向かって走り出した。
眞王も後ろへ付いて走ってくる。


大賢者が窓から身を乗りだしたとき、ここが初めて二階だと思い出した。

「ちょっと待てよ!!」


眞王が勢いよく大賢者に向かってタックルする。

二人の身は窓の外に投げ出された…



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あわわわわわ
竜樹さんすみません>△<

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