かみあわない会話
窓からさす日差しが心地良い。 すばらしい読書日和だ 「ふむふむ。」 突っ込んでいくだけではダメなのか。 相手を誘って、引き付ける、と。 「さそう…挑発するって事か?挑発ってなんか恰好いいな」 ここにも一人、金髪の初代魔王が読書にふけっていた。 コンコン 「どーぞ…あ」 「仕事は進んで……お前が読書とはめずらしいな。戦術書か?」 「うーん…まぁ戦術っていったらそうかもな…」 机にバサバサと書類を広げながら、眞魔国が誇る双黒の大賢者は嬉々として言った 「戦法のことなら何でも聞け。得意分野だから」 「いや今のところは…。なぁ、挑発ってかっこいいよな。ちょっとやってみよーかなー」 「は?!」 「えっなに?」 相手がいきなり大声を上げた。 「長髪だと?」 「…ダメ?」 「止めておけ、お前に長髪は似合わない。」 「え−そうかなぁ…」 挑発に似合うも似合わないもないような… 「洗髪はめんどくさいし」 「先発?いきなりなんだよ…」 先に出発すること?戦の話、か… 「乾きは遅いし」 「遅くてもいいだろ別に」 喉の乾きが遅いことはいいことだ。それにしても話題がズレてるような。 「それにな、枝毛の手入れもあるし大変だぞ」 ん?? 「…えだげ?」 枝毛? 「ちょっと待て、何の話してんの?!」 思わず机から乗り出す。だって…枝毛って…?? 「何って、長髪だろ。髪をのばしてみたいという話ではないのか」 「え、'ちょうはつ'ってそっちの?!」 「そっちとはどちらだ」 「俺は相手を誘ったりする方の'ちょうはつ'の話かと…」 「は…挑発…か…?」 カーッと相手の頬が赤くそまった。 「すまん、勘違いだった」 「長髪って…ふふ、確かにまぁ憧れるけどなー」 「あまりニヤニヤしないでくれ、恥ずかしいだろう…」 かなり不覚だったらしい。ひどく落ち込んでいる ……丁度いい。「挑発」でもしてみるか 「バカだなーお前」 「何ッ、貴様に言われたくはない!」 長い黒髪を振り乱し、つかみかかりそうな勢いで身を乗り出した。 結構単純なとこもあるじゃないか。人のことばっかり言ってらんないな、これじゃ。 「ふっふっふ。チャーンス!」 「ちゃん…?ぐはぁっ!」 く、くるしい…! いきなり抱きつかれて、大賢者は身動きがとれない。この時ばかりは体力のない自分を呪った。 「むっふっふ〜ひっかかったなーッ!」 「離せアホッ、チビッ、能無しーっ!!変態ー!!!」 えーと、これからどうするんだっけ? 「相手を捕獲したら、あとは簡単です…ふむふむ。」 「おいこら、ケホッ、何を読んでいる!離せーッ!」 「何って…戦術書」 「はぁ?!」 戦術書?!こんな時に…!!というか苦しい! ちらっと見た表紙の題名は… 『これであなたもカンペキパーペキ(死)恋よこいこい…』 なんだこのふざけたタイトルは… 「……著・フォンカーベルニコフ………」 「いやーこの間もらっちゃってさー。実践してみよーかなっ…と。」 それで?この後どうされるんだ、私は… 「えー捕獲したら…血盟城地下、研究室までお越しください」 ちょっと待て。 「まさか、私を実験台に…?!」 「ねーこれって本当に恋の戦術書?」 「……騙されたんじゃないのか、お前」 「えーそんなぁ」 なんでーとか言う前に、さっさと私を解放しろ―――…!!! おまけ。 「ちっ、あの根性なしがぁ!」 魔王陛下の執務室の前で、噂の著者が聞き耳を立てていた。 「まったく、双黒の秘密をあばきたかったのに…。」 また一人もにたあを失ってしまった。 「…ふふふ、でもあきらめませんよ?私はしつこいのです!」 それはもう、クソまずい料理並みに後味に残るのです! 大賢者に平穏はない。 END ************************************************************************** MARUMARUMAの春樹様より相互記念に頂きましたv む…無茶なリクエストしてすみません(土下座) フォンカーベルニコフ卿が素敵です フフフフフフ……v でも私、これより酷い勘違いしますよ(死) 確かに大賢者って体力が無いようなイメージありますよね。 相互リンク有難う御座いました!!!
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